作者Jerry (中肛丁)
看板MakiHorikita
標題[新聞] 視聴率は伸び悩むも“ドラマ界のフェス
時間Fri Sep 12 23:12:30 2014
http://dot.asahi.com/wa/2014091000074.html
視聴率は伸び悩むも“ドラマ界のフェス”『おやじの背中』がプロ受けした理由
(更新 2014/9/12 11:30)
いよいよ14日(日)で最終回を迎えるTBSドラマ『おやじの背中』。ドラマ評論家の成
馬零一氏は、「今後も続けてほしい」と切望するという。
* * *
「10人の脚本家と10組の名優が贈る、10の物語。」がキャッチコピーとなっているTBS
日曜劇場で放送中の『おやじの背中』は、1クールのドラマでは珍しい一話完結のオム
ニバス作品。
「父親」というテーマに対して、人気脚本家たちが、どのように料理するのかが見所と
なっている。
参加した脚本家は、岡田惠和、坂元裕二、倉本聰、鎌田敏夫、木皿泉、橋部敦子、山
田太一、池端俊策、井上由美子、三谷幸喜の面々。
松たか子と田村正和が親子を演じた「圭さんと瞳子さん」(岡田惠和)。女子ボクシ
ングでオリンピックを目指す娘(満島ひかり)と父(役所広司)の激しいぶつかり合い
を描いた「ウエディング・マッチ」(坂元裕二)。難聴を患ったワンマン社長(西田敏
行)の孤独を描いた「なごり雪」(倉本聰)。警官である娘(堀北真希)と殺され役が
専門の役者である父(遠藤憲一)の交流を描いた「ドブコ」(木皿泉)。
そして、女優の杏と付き合っていると噂される東出昌大が杏の父親・渡辺謙と共演す
ることで話題になった、靴職人の男とそのお見合い相手の息子との不思議な交流を描く
「よろしくな。息子」(山田太一)など、どの作品も見応えのある短編に仕上がってい
る。
当初は父と娘というモチーフが多いことにバランスの悪さを感じたが、後半にいくに
従って多様化されて、同じ「父親」というテーマを描いていても、作家によって物語の
切り口が違うのが、実に面白い。
元々、昔の日曜劇場(当時は東芝日曜劇場)は単発ドラマ枠で、山田太一や倉本聰に
よる良質の単発ドラマが放送されていた。その意味でも、テレビドラマの原点を探る意
欲的な企画だと言える。
このような企画が生まれた背景には、連続ドラマで視聴率がとれなくなっていること
があるはずだ。連ドラの力が落ちて、一話完結の職業モノが全盛となっているなか、映
画ともアニメとも漫画とも小説とも違う、“テレビドラマでしかできないこと”は何か
? その問いかけへの一つの答えとして浮かんだのが、脚本家の“作家性”を楽しんで
もらう脚本家主導のオリジナル作品だったのだろう。
テレビドラマは、出演俳優の話題ばかりが先行しており、脚本家や演出家の名前で語
られることは映画やアニメに較べると実に少ない。そんな現状を考えると、ドラマ評論
家としては、すごく応援したい企画だ。
その一方で、今のテレビドラマ視聴者の間で、「作家で観る」という慣習がどれだけ
根付いているのかというと、残念ながら現状は厳しいと言わざるをえない。視聴率も、
初回こそ平均視聴率15.3%(関東地区)を獲得したが、第2回以降は10%を超えず、『
半沢直樹』を筆頭に他の枠に比べて視聴率が高い日曜劇場にしては、苦戦している。
しかし、このような企画がシリーズ化されれば、有名ミュージシャンが一堂に集うロ
ックフェスを楽しむような感覚で、日本を代表する脚本家による単発ドラマを楽しむ習
慣が根付くかもしれない。今後も、ドラマ界のフェスとして続けてほしい。
9月14日はいよいよ最終話。トリを務めるのは、テレビドラマは久々の三谷幸喜だ。
市村正親が胃がんで緊急入院したため、主演が小林隆に急遽交代するといったハプニン
グもあったが、それ自体、どこか生のライブを見ているようである。
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