作者CrystalDays (Endless World)
看板MISIA
標題[新聞] MISIAが語る─多彩なアフリカを「知る」
時間Tue Sep 13 10:41:37 2022
https://www.tokyoupdates.metro.tokyo.lg.jp/post-754/
MISIAが語る─多彩なアフリカを「知る」ことから始めてみてほしい (Part 2)
アフリカの子どもたちの絵画展『MISIA HEART FOR AFRICA』(2022年8月8日~9月30
日)に携わった、歌手のMISIA氏。音楽を通して出合ったアフリカはアーティストに何
を気付かせたのか。
--MISIAさんがアフリカに関心を抱いたきっかけは、やはり音楽だったそうですね。
私が影響を受けたソウル・ミュージックのルーツがアフリカにあるので、もともと強
い関心を持っていました。また1980年代にヒットしたバンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・
ノウ・イッツ・クリスマス?」やUSAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド
」といったチャリティ・シングルを通してアフリカの貧困問題も知っていました。それ
らの問題は自分が大人になる頃には解決すると思っていたんですが......。
でも関心を持って学ぶ中で、アフリカだけでなく世界の貧困問題や紛争問題、そして
環境問題もすべてつながっていると考えるようになりました。ただ自分に何ができるの
かはわからなくて。そんな風に悩んでいた時にU2のボノさんとお会いし、「僕は何回も
アフリカに行っているよ。君も行くといい」とアドバイスを頂いて2007年にケニアを訪
れました。
ではそこで答えを見つけたかというと、余計にわからなくなった部分もあります。優
れた文化があり、自然環境が豊かで、音楽も素晴らしくて、なぜこうした問題があるの
かわからないほど奥深い地だったからです。
それでも、一つ見つけたのは「学ぶこと」。教育は命を生きることと、人生を生きる
ことにつながると、スラムにある小学校を訪れて強く感じ、子どもたちの教育サポート
をしようと思いました。同時に私たち自身ももっとアフリカについて学ぶ、「学び合う
」ことから始めようと。私たちが知っているのはアフリカのほんの一部。しかも飢餓や
貧困といった悲しい面が多かったので、素晴らしい部分も多くの人に知ってほしいと感
じたのです。
--以来マラウイやマリ、南アフリカなど多数の国に足を運ばれていますね。
どの国もまったく違っていました。経済や貿易の面で日本とつながりが多いことも知
りました。チョコレートやコーヒーは有名ですが、日本のタコ輸入量の約7割はアフリ
カから入ってきています。ルイボスティーが南アフリカでしか栽培できないことや、十
円玉などに使う銅などの鉱物もアフリカから輸入していることを知る人は少ないです。
2008年にTICAD4(第4回アフリカ開発会議)が横浜で開かれた時、久保田利伸さんと
、「アフリカを知ってもらおう、TICADに関心を持ってもらおう」と『TAKE ACTION!
2008 MISIA Africa Benefit Live Yokohama』というライブを行いました。セネガル出
身のユッスー・ンドゥールさんも参加してくださって。あの時のユッスーさんの「
Music is a language(音楽は言葉)」という言葉は忘れられません。どの国に行く時
もこの言葉を胸に抱いています。
--MISIAさんがミュージシャンであることは、アフリカの方々との交流に役立っていま
すか?
はい。アフリカの国々では、音楽とサッカーを好きな方が多いなと実感しています。
たとえば、小学校を訪れて子どもたちと歌ったり踊ったりすると、それだけでもコミュ
ニケーションがとれますし、自分の気持ちを話してくれるようになります。歌も教わる
んですが、コール&レスポンスのスタイルだとリーダーのメロディを追ってすぐに歌え
るわけです。歌を知らなくても、みんなで歌えてしまう魔法の方法です。
また、ユッスーさんに加えて、同じセネガル出身のパーカッショニストであるドゥド
ゥ・ンジャエ・ローズさんともコラボさせていただきましたが、現地での彼らへのリス
ペクトは本当に深いものがあります。アフリカに行った時に、「ユッスーと歌ってたよ
ね?」と街中で声をかけられることもありますよ。
--アフリカのために何かしたいと考えている方に、どんなことを伝えたいですか?
やはり重要なのは、アフリカについて知ること。知ることによって、自分に何ができ
るか、わかっていくと思います。偏見を持たず、既成概念にとらわれずに学ぶこと、さ
らに身近なこととして考えることができたらなおいいと思います。私が書いた『ハート
のレオナ』という絵本を使って大学で講義をしたことがあって、先ほどのタコの話のよ
うなつながりを話すだけで大きな反応がある。「答え」は自分で探し出さないと本当の
納得ができないものだと思うので、ぜひ、学んで探してほしいです。
--コロナ禍による影響も心配されています。現地から何か聞いていますか?
私が支援に関わっているケニアのマゴソスクールに状況を問い合わせたら、仕事を失
った人が多くて大変だと教えてもらいました。けれど、こうも言われました。「私たち
はこれまでも予防薬もなくてワクチンも打てない、消毒薬もきれいな水も手に入らない
、そんな中でも感染症と闘い、助け合って生きてきた。今と昔と何が違うの? 変わっ
たのは先進国が感染症と闘う必要が出てきてパニックになっていることだけ。だから先
進国の人たちも冷静になって、協力し合って今の状況を解決してほしい」と。
ハッとさせられました。いろんなものが「ない!」という時期だったのですが、日本
には安全な水も石けんもある、医療にもアクセスできる。それにアフリカでは、村々が
離れているためにリモート診療を以前から実施していたところもあるそうです。学ぶべ
きところを学んで、とにかく知恵を出し合って協力して、今を乗り越えることが大事だ
と。
--アフリカとの関わりにおいて、思い描いていることをお聞かせください。
アフリカの素晴らしいところ、音楽やアートも含めてもっと世界中に広がってほしい
ですね。既にアフリカ音楽は世界に、またファッション界でもアフリカ出身の方が活躍
しています。日本にもアフリカから素晴らしいものがもっと伝わって、人々の心が豊か
になればと願っています。そのお手伝いができたらうれしいし、歌で何かできれば最高
ですね。アフリカでもライブをやりたいし、アフリカの人に日本の音楽を知ってほしい
。音楽で世界平和を実現できたら素晴らしいと思います。
MISIA
1998年デビュー。国民的歌手として東京2020オリンピック競技大会開会式で国歌を斉唱
。社会貢献活動にも積極的でアフリカで子どもたちの教育支援等を実施。アフリカ開発
会議などの国際会議の名誉大使も歴任している。2023年にデビュー25周年を迎え、2022
年秋から全国ツアー「25th Anniversary MISIA THE GREAT HOPE」を開催予定。
https://www.misia.jp/
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