作者rainforss (雷因佛尔斯)
看板YK
标题[转贴] 菅野よう子 X ツッチー 对谈 (天国之扉)
时间Mon May 17 20:19:50 2010
原文连结
http://www.cowboybebop.org/bigshot/special/02/
人物简介:
菅野よう子
早稲田大学在学中に“てつ100%”のメンバーとしてデビュー。解散後は、
作曲・アレンジを中心に活动し、TVCMでも数々の话题作に参加して各赏に辉く。
TV・映画や、今井美树、小泉今日子などのCDにも参加している。アニメーション
は「MACROSS PLUS」「天空のエスカフローネ」「ブレンパワード」など。
ツッチー
シャカゾンビのDJ兼トラックメイカー。'94年、ラッパーのオースミとヒデボウイ
と共にシャカゾンビとして活动开始。独特の质感を伴った繊细な音づくりには
定评がある。シャカゾンビとして「HERO THE S.Z.」(CTCR-14082)
「JOURNY OF FORSIGHT」(CTCR-14134)の2枚のアルバムのほか、
リミックスアルバム「S-SENCE 2000」(CTCR-14152)がある。
ビバップのメインスタッフたちが登场するスペシャル企画。お待ちかね、菅野よう子
さんの登场です。しかも今回はなんと! 幻のTV版最终话、セッションXX
「よせあつめブルース」でただ一度だけ「菅野さん以外のビバップ音楽」としてその
楽曲が使われたDJ、シャカゾンビのDJツッチーさんとの対谈です。例によって脱线に
次ぐ脱线、しかも相当専门的な话にまで及びますが、「天才肌の作曲家」と「繊细な
DJ」との音楽観の违い、あるいは共通するコダワリなどが垣间见えて、なかなか兴味
深いものになってますよ。
--- そもそも2人が初めて会ったのはいつ顷でしたっけ?
菅 野 「TVの最终回のときにツッチーさんとシャカゾンビの音楽を使ったというの
が最初ですよね。それまで私はシャカゾンビって知らなかったんだけど、聴いていいな
って思って、シートベルツのライヴ('99年8月)のときに何か一绪にできないかなっ
ていって、打ち合わせをするために会いに行って……三宿(东京)のクラブでDJをやっ
てるっていうから行ったのね。オレ(编注・一応説明しておくと菅野よう子はときおり
一人称が“オレ”になる)、DJってなんのことかわからなくて、クラブ行ったことなく
て、初めて行って、あれ以来行ってない(笑)」
--- 菅野さんってあんまり夜は出歩かないんですか?
菅 野 「ていうか、オレお酒饮めないし、そもそも游ぶって一体何をしたらいいん
でしょう?みたいな感じでわからなくて。DJとかには兴味津々だったんだけど、全然何
してるかわからなくて。で、行って、ツッチーさんが回すまでずっと黙って待ってて、
ツッチーさんが回し始めてから、いわゆるフロアーに初めて行ってみたらですね、なん
かお触りするオジサンがいたんですよ」
ツッチー 「ええっ!?」
菅 野 「その话ししたの、覚えてない?」
ツッチー 「あ、なんかそういう话闻いたのは覚えてるかも」
菅 野 「痴汉がいたの」
--- マジですか?
菅 野 「マジで。サラリーマンみたいな人だったんだけど、女の子に抱きつくのね
。オレをはじめとして。もう酔っぱらってて、グターっとしてるんだけど、それをツッ
チーさんは曲で煽るのよ(笑)」
ツッチー 「いやいやいやいや。煽ってない煽ってない。别にエロい曲とかかけてない
し」
菅 野 「あとでさ、『なんか変なオヤジがいたから煽っちゃった』って言ってたも
ん」
ツッチー 「ハハハハハハ(笑)」
菅 野 「でね、その人女の子に抱きついてばっかいて、『すっごいイヤな奴!』と
か思って、こんなとこきてなんで私が酔っぱらいの相手しなきゃいけないんだ、とか思
って」
--- 最悪のクラブデビューですね。
菅 野 「もう最悪。ただそのとき初めて、こういうカルチャーがあるんだなってい
うのはわかった。夜な夜なこんなことしてる人たちがいるんだなって」
--- ツッチーさんが最初にこの作品に関わったのは、TV版の最终话で使いたいって
いうオファーからですよね。
ツッチー 「ですね。そう、突然だったんですよ。で、俺的にはもう、全然使って下さ
いっていう感じだったんで」
--- 実际映像になって见たとき、どう思いました?
ツッチー 「うーんとね、よくうまく絵にはめてくれたな、という感じ。自分的には絵
とかをまったく意识しないでつくってた曲なわけだから。それを聴いた监督が、ああい
う映像にはめてくれたというのは面白い体験でしたね。で、あのですね、それもオレに
とって“ヒップホップの一贯”っていう感じなんですよ。ラップだけじゃない何かが音
に乗っかってる、というのが。基本的に、自分のつくったものを広げてくれる人が常に
いて、という感じで曲作ってるから。常に、なるべく自分だけで自己完结しないように
してるんですよ」
菅 野 「わざわざしないようにしてるの?」
ツッチー 「そうですね」
菅 野 「えらい! でもなんか、わかる。隙间残しておく、というのは」
ツッチー 「そこまでガッチリつくり込むほど自信もないし、自分の作品に责任がもて
ない……っていうとアレな言いかただけど、『ここまではつくったけど、その判断なり
、ここから広げていくのは聴く人に任せる』というか。じゃないとね、ゴリ押しになる
から。性格的にもあんまりゴリ押しができないんですよ」
菅 野 「优しいのよ、きっとそれ。あとさ、あの曲(『よせあつめブルース』の最
後にかかるシャカゾンビ“空を取り戻した日”)って特に思い入れがあるとか、例えば
一番最初につくった、とかあるの?」
ツッチー 「そういうわけでもないですけど、あれは実は结构昔からあった曲なんです
よ。别のラップが入ってるデモ・ヴァージョンみたいなのもあって、それはカセットテ
ープだけで配ってたりとかしてて。で、それから俺らもぼちぼちCD出すようになって、
いざアルバムをつくるってなったときに、あれをメインにして曲をつくろうか、ってつ
くったんですよ」
菅 野 「ああいう曲ってさ、何が最初にできるの? つまり、バックトラックが最
初にあって、そこにいろいろラップを乗せていって、诗もどんどん変わっていって、っ
て感じなの?」
ツッチー 「まあ、つくりかたはさまざまなんですけどね」
菅 野 「あの曲に関しては?」
ツッチー 「あれは、とりあえずオースミ君(シャカゾンビのラッパー)が『この曲で
ラップしたい』って言ったのかな、确か」
--- お互い、たぶん曲のつくりかたは全然违うんじゃないですか?
菅 野 「だって、ひとりでつくったことないでしょ? みんなでつくるんでしょ?
」
ツッチー 「まあそうですね。歌词が乗るものに関しては、とりあえずバックトラック
だけをつくっていって、聴いてもらって、ほかのメンバーが『これがいい』って言った
ら、それにリリックを书いてもらって乗っけて、っていう感じですね」
菅 野 「たとえば10个とか5个とかトラックを上げて、メンバーに聴かせて『あれ
がいいこれがいい』って言ってもらって、それから词を书いて、って感じ?」
ツッチー 「そうですね……あと、一応なんとなく注文はくるんですよ。漠然としたイ
メージで」
菅 野 「例えば?」
ツッチー 「『速い曲』とか(笑)」
菅 野 「そんだけかい! あとは『かわいい曲』とか『悲しい曲』とか? そのと
きには词のもとはないの?」
ツッチー 「ないですね」
--- じゃあ、“空を取り戻した日”はまったくトラックが先?
ツッチー 「あれはそうですね」
菅 野 「それで诗がきて音を足したり引いたりして……その、最初にその人をイン
スパイアしたトラックっていうのはいじらないでおくの? 全然変えちゃって『こっち
にしましょう』っていうのはないの?」
ツッチー 「それはないですね」
菅 野 「エライ!(笑) エライよね」
ツッチー 「うーん、どうなんでしょう?」
菅 野 「私さ、曲书いてさ、词がくるじゃん。アレンジ全部変えちゃったりするも
ん」
ツッチー 「え~!(笑)」
--- ツッチーさんがビバップのイメージみたいなのをつかんだのはいつごろですか
?
ツッチー 「ビデオを见せて顶いたりしてたし、リアルタイムで放送もしてたから、TV
の最终话とかスタジオで见てましたよ。『コレコレ!』なんて。で、それからイヴェン
トの话がきて、そんなに详しくはないけど、ネタとしてジャズとかは买ってたりしてた
から……なんかまあ、(菅野さんの音楽は)自分に近い、とか言っちゃうと失礼かもし
れないですけど、でも本质的な部分では近いものを感じてました」
菅 野 「私はね、クラブでツッチーさんのDJを初めて聴いたとき、ほかにもあのと
き何人かいたでしょう? で、ほかの人がDJしてる间、ずっと『ツッチーさんまだかな
』って待ってて、でツッチーさんに代わってから……なんかオトナっぽかった」
ツッチー 「おお」
菅 野 「その夜にいた3~4人を聴き比べただけだから伟そうなことは言えないけ
ど、ツッチーさんのDJはオトナっぽかった。それはセクシーとかじゃなくて(笑)、な
んだろう、一歩引いてるというか、とにかくオトナな感じがしたのね。都会派? いや
、それはウソ(笑)。うーん、なんて言えばいいんだろう? ジャンルとかあるのかわ
からないし、オレが言ってるのが正しいのかどうかもわからないけど、なんかまあ、と
にかく田舎では决してなくて、もの凄く都会的で、しかもムーディではなくて、ちょっ
とだけ引いてて、つかず离れず、というか。煽り系とか、私はあんまり下品で好きじゃ
ないんだけど、なんかね、ちょっとIQ高いっていうか、わかりにくさとわかりやすさの
ギリギリのところが、非常にビバップくさいな、と」
--- ほうほう。
菅 野 「なんかさ、下品にわかりやすく、パンツ见せたりとかさ(笑)、内臓ドバ
ー!とかしないじゃない? そこが凄くビバップっぽいなと思ってさ。もしそのときに
违う感じだったら、违う人に頼もう、って言ったと思うし」
ツッチー 「ビバップという物语自体、1话ごとに、何かしら切なくないですか? 俺
、结构切ないの好きなんで」
菅 野 「例えば?」
ツッチー 「音楽もそうだし……」
菅 野 「ビバップだったらどの话が好き?」
ツッチー 「うーん……どの回というよりも、毎回ラストで、切ないというか、グッと
くることが多いじゃないですか、後半の话とか特に。地上波で流れなかった回とか。普
通にハッピーエンドじゃなくて」
菅 野 「音楽も切ないの好きなの? それとも切なくさせたいの?」
ツッチー 「切なくなりたいですね(笑)」
菅 野 「でも、ウルウルなのは嫌だったりする?」
ツッチー 「いや……泣くこととかありますよ。なんかね、高校生のころ付き合ってた
コに振られたりとかね」
菅 野 「それは违うじゃん(笑)」
ツッチー 「あ、それは别か。でも何かしら自分が思ってるときに、そういう曲が流れ
たりすると、こうホロっと……そんなに自分に酔ってるわけじゃないんですけど」
菅 野 「ロマンチストなんだ」
ツッチー 「いや……それは……どうかな?」
--- ツッチーさんはビバップのサントラとかリミックス盘も聴いてると思うんです
けど、その感想とかは?
ツッチー 「うーん、なんというか、音楽をつくる侧としては、自分の中でイメージを
持ちながらつくってるから、结构みんな、サントラとかつくってみたかったりすると思
うんですよね。で、ラップの话に戻っちゃうんですけど、バックトラックをつくるとき
には、俺はその时点ではあんまり思い入れを强く入れないんですよ。そこにラップで表
现するのはMCの2人だから、そこの表现はお任せするというか。あんまり自分の思い入
れが强いと、ただ単に自分の曲になっちゃいますからね。逆に1人でつくるときはガッ
チリ思い入れますけど。でも、そのときのイメージは漠然としたものなんですけどね。
で……菅野さんの场合、それをちゃんと映像で表现できて、なおかつそれが映像とシン
クロされてて、何だかすごい羡ましかったですよ」
--- ツッチーさんってサントラ结构买ったりします?
ツッチー 「昔、渋谷のサントラの専门店でバイトしてたことがあるんですよ。『フロ
ムA』かなんかでバイト探してて、『レコード屋だ!』と思って面接行って受かったん
ですけど、でもそれまでは别にサントラとか聴いたことなくて。その店がそういう所だ
と知らずに行ったんですよ」
--- それは凄いっすね。
ツッチー 「それで2年か3年働いたんですけど、やっぱりそれで映画なり映像なりに
付随する音楽、こういうものがあるというのを知って、それからちょっと音楽の聴きか
たは変わりましたね」
菅 野 「好きなサントラは?」
ツッチー 「『リトルマン・テイト』(91年米)って知ってます?」
菅 野 「ジョディ・フォスターのやつ?」
ツッチー 「そう、ジョディ・フォスターがお母さん役で、すごいIQの高い子供がいて
、ってやつ。そのサントラがいいんですよ」
--- 普通、サントラって映画に合わせてつくるじゃないですか。その意味では、ビ
バップのサントラってちょっと普通の映画とは违いますよね。
菅 野 「私もあんまり详しくはないけど、そういうつくりかたをしてる人は何人か
いるらしくて。ガブリエル・ヤレっていう人(フランスの作曲家。『イングリッシュ・
ペイシェント』でアカデミー赏受赏)は、そうなんだって」
ツッチー 「へぇ」
菅 野 「映画を见もしないで3曲か4曲かつくって、その曲のヴァージョン违いを
10个ずつくらいつくるんだって。例えば“なんとかさんのテーマ”っていうのをつくっ
たら、それの『悲しいヴァージョン』、『楽しいヴァージョン』とかって。で、それを
监督に渡して、监督がその音楽に合わせて映像をつくるんだって。だからあの人に頼ん
で曲书いてもらったのに、监督が『こんなの使えない』ってボツにして、ほかの人に回
ったのもいっぱいあるらしいんだけど(笑)」
ツッチー 「结构サントラって、メインのテーマがあったら、それのバージョン违いが
いっぱいあるって感じですよね」
菅 野 「でもそれもさ、シーンに合わせて『しんみりした场面だからしんみりした
アレンジで』とかやるんだけど、ガブリエル・ヤレさんの场合は、先に『悲しそうなシ
ーン1・2・3』とかつくっちゃうらしい。撮影に入る前とかにつくっちゃうらしいよ
」
--- 菅野さんはそういう意味では一応、监督の発注に合わせてつくる……。
菅 野 「いいえ」
--- …………一応発注は闻くけど、无视すると(笑)
菅 野 「なんでガブリエルさんの话を覚えていたかというと、『なんだ、じゃあい
いんじゃん』って思ったから(笑)。今度から依頼が来たら必ずその话をしようと思っ
て(笑)。『あの人もそうなんですよ』って」
--- (ツッチーさんに)この人は本当に発注どおりにつくらない人なんですよ。例
えば今回の映画だと、頼まれた歌ものが1~2曲で、でも実际つくったのは……。
菅 野 「12曲くらい(笑)。インスト1曲もないの。そのかわり无駄撃ちもいっぱ
いしてて、使われない曲とかもいっぱいあるよ。しょうがないけどね」
--- ツッチーさんは最近、シャカとかで生音とか使い始めてるじゃないですか。ど
うですか、そのへんは?
ツッチー 「いや、実は前からやってたんですよ」
--- バンドやってたんでしたっけ?
ツッチー 「バンドは、これからやります(笑)」
菅 野 「シャカとは别に?」
ツッチー 「うん」
菅 野 「どんな?」
ツッチー 「まだ何も决まってないんですけど……」
--- 楽器は何かできるんでしたっけ?
ツッチー 「できないっすよ」
菅 野 「そんなニコニコして」
ツッチー 「いやでも、前から生で(ドラムを)叩いてもらったやつをサンプリングし
て组み直してたりとかしてたし。丸々全部弾いてもらうっていうのはやってなかったけ
ど、音源を使って弾いて、というのはやってたんですよ」
--- 「Get On Da Track」を聴くと、音楽性がいよいよ広がってますよね。
ツッチー 「収拾つかないっすよ(笑)。でも、ストリングス以外は全部音源です」
--- ノー・サンプリング?
ツッチー 「これに関してはそうですね」
--- サンプリングは最近あんまりしてないんですか?
ツッチー 「いや、してますよ。何かしらリズムのパートのどっか、とか。スネアだけ
、とか」
菅 野 「サンプリングってさ、曲があってからするの、それとも毎日しとくの?」
ツッチー 「うーん……曲つくろっかな、って思ってからですね」
菅 野 「じゃあネタなんだね、完全に」
ツッチー 「そうですね。ネタ帐とかあります?」
菅 野 「ネタ帐というか、メロディの切れ端帐はあるよ」
--- 纸に书くんですか?
菅 野 「うん。2小节とか、ちょろちょろっとね。どこに书いたかわかんなくなっ
ちゃったりするけど。あと、本当に何にもないときは留守电に入れたりとか。五线纸が
あるときは音符で书くけど、ないときは『ド、ソ……』とか书いたりとか(笑)。あと
で『なんだっけこれ?』とか思ったりするんだけど(笑)」
--- だれかICレコーダーをプレゼントしてあげて下さい(笑)。菅野さんはピアノ
习ってたんでしたっけ?
菅 野 「习ってたというか、あった、うちに。あとは自己流で。3歳ぐらいのとき
に亲に买ってもらって」
--- 物心ついたときには弾いてた?
菅 野 「つくってた。歌とかつくって、それをなんとなく弾いてた」
--- じゃあ子供のころから普通に曲つくってたんだ。
菅 野 「小学校のときとかはリコーダーの授业つまんなくて、自分でアレンジした
曲を吹いてた。すっごいイヤだったと思う、その先生(笑)。教科书に载ってる曲を胜
手にアレンジしてみんなで吹いてたから」
--- ブラスバンド部とかには入ってたんですか?
菅 野 「ブラスバンドでも胜手にアレンジしてた(笑)。だってロクな谱面ないじ
ゃん。歌謡曲とかさ。でもやっぱり『ルパン3世のテーマ』とか吹きたいじゃん(笑)
。でも谱面なんか売ってないから、だから胜手にアレンジしてやってた」
--- 先生にしたらイヤな生徒ですね。
菅 野 「だったと思う」
ツッチー 「D.I.Y.精神ですね」
--- ツッチーさんは自分でつくり始めたのっていつごろですか?
ツッチー 「ターンテーブル买ってからですね。なんか高校のときには学校でバンド组
んで游んでたりはしてましたけど。まあ、コピーでしたけどね」
--- パートは?
ツッチー 「そのときはね……歌わされてました」
菅 野 「おおっ!」
--- フロントマンだったんですね。
ツッチー 「フロントマン、やらされてましたねぇ」
菅 野 「どんなコピーしてたの?」
ツッチー 「かっこいいとこだと、ツェッペリンの“Rockn' Roll”とか」
菅 野 「かっこわるいとこだと?」
ツッチー 「圣饥魔IIとか」
--- ワハハハハハ!
ツッチー 「C.C.B.もやりました」
菅 野 「かっこわりー!!(笑)。一番かっこよくて、でもツェッペリン?」
ツッチー 「クワイエット・ライオットとか。そのころちょうどメタルが全盛期だった
から。で、そのあとぐらいからかな? インディブームっていうか、バンドブームが始
まったのが。で、ちょうどそのぐらいのときにランDMCと出会って、こういうのがやり
たいなと」
--- 音をつくり始めたのは?
ツッチー 「なんかね、その当时ビーツ・インターナショナル、つまりノーマン・クッ
クの立ち位置っていうのがすごい好きで。里方なんだけどでも个性がちゃんと打ち出さ
れてる、という。それがキッカケかも知れない」
菅 野 「そういうの聴き出してから、圣饥魔IIはどうなったの?(笑)」
ツッチー 「なんかね、高校卒业して専门学校入ったときにターンテーブル买って、と
りあえずオリジナルテープつくるのが流行って。车でどっか游びに行くときは必ずテー
プ持っていく、みたいな感じで。で、なぜか、何かしら笑わせなきゃいけない、みたい
なのがあって(笑)。最初はバーっといい曲が并んでて、だんだんおかしくなってくる
という、そういうテープのときによく使ってましたね、圣饥魔II(笑)。で、それから
専门学校出るくらいにサンプラー买ったんですよ。结局、曲のつくりかたは当时からま
ったく変わってないですね。プラモデル组み立てるぐらいのノリで音楽つくってるんで
すよ」
菅 野 「じゃあ最初からこんな感じなんだ。大人っぽい感じ」
ツッチー 「まあそうですかね」
--- 菅野さんの曲のつくりかたもすごいですよね。ドラムン・ベースみたいな曲で
も、全部头から展开考えてつくっていくんですよね?
菅 野 「だからヒドイよ、その途中経过见ると。1曲5分の曲をつくるとすると、
まず一応、最初っから最後までピアノをバーッと入れるわけ。で、一応リズムの雰囲気
がわかるようにハットとベードラ入れるよね。そうしたら、饱きたからって突然シンセ
をピョッと入れるわけ。で、歌の人がその日しかこれないってなると、歌入れちゃった
りして。そのあとにスネアとか入れはじめたりして。オレの中では全部できてるものを
并べてるだけなんだけど、エンジニアの人はどういう曲になるのか全然わかんないみた
いで(笑)。すごいやりにくい思う」
--- そういう作曲方法の人ってそんなにいないですよね?
菅 野 「どうなんだろう……でもオレ、それしかできないんだもん。あとで抜こう
かな、とかはできない。(ツッチーさんに向かって)それってアドリブみたいな感じ?
ここ抜こうかな、とかは?」
ツッチー 「まあでも、なんとなく抜く场所とかは考えてて、それを聴きながら『じゃ
あここ抜いてみようか』とかそういう感じ。一日中同じループ聴いてる人とか结构いま
すよ。俺も3日とかループ回しっぱなしのときとかあるし」
菅 野 「マジで? 寝てる间とかも?」
ツッチー 「そう」
菅 野 「なんで? 気持ちいいかどうか确かめるの?」
ツッチー 「そうですね。それでちょっとずついじったり」
菅 野 「へぇぇ。外人もそういうことしてんの?」
ツッチー 「そうみたいですよ」
--- 菅野さんは自分で机材いじったりします?
菅 野 「しません。まったくしません」
--- それはわからないから?
菅 野 「わからないから。やってみようかな、と思った瞬间はあるんだけど、向い
てねぇや、とか思って。买ったけど箱から出さなかったり」
--- すごいことしてますね、それ。
菅 野 「マックもね、ないとマズイかなと思って买って、2年间箱に入れっぱなし
」
ツッチー 「はははははは」
--- パソコン2年间ほっといたらメチャクチャ古くなりますよ、それ。
菅 野 「そう。でも私わからないから、そんなこともさ。雑志とかも见てないし。
でまあ、电化制品って昔10年ぐらい平気だったじゃない。冷蔵库とか。だからマックも
4~5年は平気だと思ってたら……もうダメなのね」
--- 菅野さんはサンプリング系の音は自分で録るんですか?
菅 野 「违う。『こういう音色でこういうパターン』って説明して、それを探させ
る」
--- 大変だ……。あの“Piano Black”のイントロの音とかは?
菅 野 「あれ、バイクの音だよ。スターターの音。あれはなんだったけな、いろい
ろ説明したんだけどなかなか无くて、バイクのチャカボコした音を见つけて『あ、それ
でいいや』って音抜いて、それで加工して」
--- それ、なんかヒップホップの人っぽいつくりかたですよね。
菅 野 「ただ、音は基本的には『こういう音がいい』って説明して、その场でオペ
レーターの人に探してもらうんだけど。例えばSE集とかサンブリングCDとか。无ければ
そのときに机叩いて音録ったりするし。それでだいたいひとつの音を探すのに50个とか
100个くらい出してもらうかな。例えば『“シィー”って音なんだけど、その音のちょ
っと前に“ギィ”っていう音がちょっとだけかかってる“シィー”の音』、とか言うじ
ゃない。それに対して50个ぐらい探してもらう」
ツッチー 「すげー……」
--- それは……大変だ。
菅 野 「マニュピレーターの人は大変だと思う。『この音じゃないんだけど、あえ
て言うならこの音のここのところのここの部分は采用で、あとは全然いらない!』とか
。大変だと思うよ。このわけのわからない言语を理解して、しかもさ、最近わかったん
だけど、一个ずつの音が思ったとおりの音でも、それぞれ集まるとまた违って聴こえた
りするじゃない?」
ツッチー 「はいはい」
菅 野 「それが最初わからないからさ、好きな音だけを集めてやったりしてたんだ
けど……音一个は确かにそうなんだけど、并べるととなんかこうじゃないんだけどなぁ
、ってすごい思ってたのを、优秀なマニピュレーターの人が『大丈夫大丈夫、やってお
くから』ってしてくれるようになってから、だいぶ楽になった。でも、时间かかります
よ。生でやったほうが全然ラク。生のブラスなんか、ビバップだと1日1曲録れるから
。でもシンセものだと1日1曲はちょっと厳しい」
--- 1日音1个决めるのがやっと、とか?
菅 野 「うん。本当、そういう感じ」
--- きっつー……。
菅 野 「でも、それは大事なところだけだけどね。でも“Piano Black”だったら、
あのイントロがないと成立しないから、そういうのはすごい探したりする。しろって言
われたらできないよね、きっと。できるかな? 人に言われるんだよね」
ツッチー 「そうっすねえ……俺、マニピュレーターとかもちょっとやってたんで……
その人の気持ちはちょっとだけわかるかも。少なくともかなりスキル・アップはすると
思いますね(笑)。例えばあるアーティストの场合とかだと、最初にサンプラーでデモ
をつくってくるんですよ。で、それをとりあえず忠実に再现しなきゃいけなくて……ま
ずなぞるところから始まるんですよ。サンプリングするときに、レコードの头を手で押
さえてて、ボタンを押してレコードからパッと手を离した瞬间のレコードの立ち上がり
のもたつきまで再现する、ぐらいの感じなんですよ」
--- それもキツイなぁ。
菅 野 「でも、わかるそれ。そのもたつきが大切なんだもんね、きっと」
ツッチー 「持ってきて人からすれば、このもたつきとかも踏まえたうえでの1曲だか
ら。そうしてあげなければ」
--- 菅野さんは、エンジニアは薮原正史さんですよね。
菅 野 「そう。知らなかったんだけどね。なんかの雑志に『ダブで有名な薮原さん
』とか书いてあって『えっ?』とか思って」
--- フィッシュマンズとかやってましたよね。
菅 野 「あとコーザ・ノストラとか。で、そういう人にクラシックっぽい曲とかや
らせるじゃん。それがおもしろいんだよね。オレ、基本的に太い音が好きなんだけど、
太い音を太いまま上品にやるとすごく暗くなっちゃったりするというか。インナーにこ
もるから。でも薮ちゃんってあんまりそういうの无いんだよね。淡々としてる人なんで
、太かろうか细かろうがキーキーしてようが、淡々としてる。それの相性が合うんだろ
うね」
--- 前から闻いてみたかったんですけど、普通にラジオとか聴いてても、DJの人と
かだとつい「あ、ここはサンプリングできるな」って思っちゃう、とかいう话あるじゃ
ないですか。纯粋な聴きかたができない、というか。そういうのってお互いあります?
ツッチー 「うーん、昔はあったっすね。でも最近やめました。レコードを素材として
买わなくなったんですよ。去年ぐらいとかに、サンブリングしてストックしてあったデ
ータを全部マルチ・テープに流し込んだんですよ。で、とりあえず吐き出すものは吐き
出して、逆に自分でつくったフレーズとかをループさせたりとか始めてて。で、そうい
うやりかたを始めたら、そういう聴きかたはしなくなりましたね」
菅 野 「あのさ、音楽でさ、『まったりしたいとき用』とかあるの?」
ツッチー 「ありますよ」
--- 菅野さんはあります?
菅 野 「音楽に限らず、音一般すべてに関して、耳を闭じるか、そうでなきゃ全部
入ってくるか、になっちゃうから、ない。だって音楽だけじゃないから。踏切の音とか
騒音とか含めて、『この音、Aマイナーみたいだけどなんかズレてんなー』とか思っち
ゃう」
--- あの、菅野さんって絶対音感の人ですか?
菅 野 「そうみたい」
--- あ、やっぱりそうなんだ。
菅 野 「お皿运んでガチャっていったら、『あ、ミって言った』とか思っちゃうか
らさ」
--- それはツラいなー。
菅 野 「いや、言叶と一绪でさ、英语がちょっとわかる人って英语の会话を闻き流
せなくてつい闻いちゃったりするじゃない? そういうときって、自分の考えに入り込
むか、もしくは聴き込むか、どっちかじゃない? それが私の场合、音楽に限らず、パ
チンコの音とかも全部一绪だから。だから家でなにかを聴くとかは一切できないし」
--- じゃあ家は无音なんですか?
菅 野 「基本的には」
--- すごいっすねぇ…………あ、渡辺监督!(たまたま近くで饮んでいた渡辺监督
をつかまえて)ちょうどいいんで、ビバップのTVの最终回でツッチーさんのインストを
使おうと思った理由を教えて下さいよ。
渡 辺 「もう忘れました」
--- …………。
渡 辺 「えっとね、酔っぱらってますけどいいですか?」
--- いいですよ。ツッチーさんのあのシングル、普通に买って聴いてたんですよね
?(「よせあつめブルース」で使われたインストはすべて「GET A POINT」レーベルか
らリリースされたアナログ・シングルに収録されている←现在は廃盘)。
渡 辺 「もちろん。大好きだったんで。えっと、『よせあつめブルース』はビバッ
プであってビバップではないものをつくろうとしたので、あれに菅野さんの曲をつける
とビバップになってしまうので、违うものをつけようと思って、当时もっとも好きだっ
た、って过去形で言うとアレだな(笑)、いまも好きなんですけど、ツッチーさんの曲
と、シャカゾンビのあの曲が自分の心情的にも当てはまるものだったんで、それを是非
使いたいと打诊して、最初はいろんな人に反対されたんですが(笑)、最後はOKになっ
てよかったと」
--- とりあえず、よくあのシングル买ってましたね。
渡 辺 「シャカの曲はもちろん、ツッチーさんのリミックスしたものまで买ったり
してましたからね。筱原ともえまで(笑)」
ツッチー 「マジですか?」
--- やってましたね、そう言えば。
渡 辺 「で、呗はいらないんで、インストだけ聴くと(笑)。ツッチーさんの场合
、曲もいいんですけど、例えばスネアの音がいいとか、そういう聴きかたもしてますね
、仆は」
菅 野 「じゃあオレの曲でツッチーさんのスネアだと……」
渡 辺 「ああ、仆にとっては最高(笑)」
--- じゃあツッチーさん、マニピュレーターとしてどうですか? きつい职场だと
思いますけど。
ツッチー 「きついっすよねぇ(笑)」
渡 辺 「菅野さんの打ち込みって谁がやってるんですか?」
菅 野 「浦田さんっていう人なんだけど、もう50歳ぐらいの人で」
--- そんな人に1个の音决めるのに50个出せ、とか言ってるんですか。
渡 辺 「ひょっとして大御所なのでは?」
菅 野 「YMOとかやってた松武(秀树。YMO第4のメンバーとして有名)さんとか、
あの辺と同じくらいらしい」
渡 辺&ツッチー 「え~!!」
--- ということはパイオニアじゃないっすか! 菅野さんすごいっすよ。
渡 辺 「凄い人をコキ使ってることが判明(笑)」
菅 野 「でも、凄いイイ人だよ。オレのわけわかんない注文も何でも闻いてくれる
し。全然怒らないし。あといっぱい音持ってるし」
渡 辺 「剧场版でも音効で頼む予定なんですよ」
菅 野 「不思议なんだけど、『怖い音』っていうと、その人100个くらい持ってるの
。私はたぶん、『怖い音』っていったら2个ぐらいしかない(笑)。でも私は『面白い
音』って言ったら100个くらいできるんだけど、その人はたぶん2つぐらいしかできな
い(笑)。とにかく怖い音が好きな人なのよ。一音で人を落ち込ませることができるっ
て言ってる。一音で自杀したくなる気持ちになるとか、一音で怒らせるとかできるんだ
って。それくらいすごい。私の场合、一音で笑かすっていうのならできるけど(笑)」
渡 辺 「剧场版では聴いてて头がオカシクなるような曲を発注する予定なんですけ
ど(笑)、それを剧场でガンガンにかけまくるという。まあ、ほどほどにしろとは言わ
れてるんですが(笑)。じゃあ、グッバイ」(と言って、去る)
--- じゃあ最後にツッチーさん、剧场版の音楽に期待することはありますか?
菅 野 「そんなものあるかい!」
ツッチー 「うーん……本当、でも、ないっすよ。楽しみなだけで」
菅 野 「じゃあ、俺がつくるなら、っていうのは?」
ツッチー 「ええっ? そうだなぁ……」
菅 野 「シャカとは违う?」
ツッチー 「かも知れないっすね」
菅 野 「生楽器使うとか使わないとか、もっと暗い感じとか、暴力的な感じ、とか
」
ツッチー 「あ、暴力的な感じというのはないかな」
菅 野 「切ない?」
ツッチー 「やっぱりそうですね。悲しいというか、切なさ」
菅 野 「キュンとくる?」
ツッチー 「キュンとくるやつ。やりたいですねぇ」
菅 野 「あのインストとかはどうだったの?」
ツッチー 「あれはね、完全に自分のカラーですね」
菅 野 「じゃあ、ああいう感じだ。なんか意外にさ、コード感があるよね。普通、
ヒップホップ系の人って、无责任に『ドミソ!』ってバーンってやる人が多いような気
がするんだけど、でも、ツッチーさんは凄い繊细だよね。『ドミソ!』っていうのは絶
対ないじゃん」
ツッチー 「マイナーコード系なんで」
菅 野 「いやでもさ、マイナーだからって『ラドミ』ってわけじゃなくてさ。なん
かこう、不安定というか割り切れてないところを狙って狙って狙って……という感じが
するよ」
ツッチー 「そうでもないんですけどね。単に自分にとって気持ちいい音というか」
菅 野 「でも、その気持ちいいとこっていうか、カラーというか、それにはこだわ
るでしょう? なかなかね、ヒップホップのそういうのってない気がするから。そこだ
よね、大人な感じっていうのは。普通はもっと割り切れてるもん、明るいか暗いか」
--- 极端なものは多いですよね、确かに。
菅 野 「ツッチーさんの场合はね、ジャズっぽいというのはと违うんだけど……も
しかしたら、それこそクラシックっぽいぐらい、和音に気が利いてる」
--- ほおほお。
ツッチー 「自分では全然わかってないですけどね(笑)。去年の夏くらいに初めて分
数コードとか知りましたから」
菅 野 「あ、そうなんだ。でも别にそれも含めて入ってて、気持ちよさげなセオリ
ーとかがちゃんとあって、美意识みたいなのがあって。クレヴァーですよ」
--- 理论的に里付けできるようなことを、自然とやってるんでしょうね。
菅 野 「そうだろうね」
ツッチー 「それがね、自分がいままでレコードなりCDで聴いてきたものが出てるって
いうことでしょうね」
菅 野 「圣饥魔IIは违うと思うけど(笑)」
ツッチー 「一応ちゃんとメイクまでしてたんですよ(笑)」
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◆ From: 61.65.40.150
※ 编辑: rainforss 来自: 61.65.40.150 (05/16 19:41)
1F:推 sandwichpope:可否借转?XD 05/16 20:11
2F:推 calvin4:用「オレ」自称是怎麽回事!!?wwww 05/16 21:23
3F:→ categg: 翻译蒟篛希望(死 05/16 22:28
4F:推 Profaner:小鸡阿姨一直都是恶搞魂满点咩=W= 05/16 22:39
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※ 编辑: rainforss 来自: 125.233.12.84 (05/17 20:20)
5F:推 sandwichpope:推!!! 05/17 21:59
6F:推 musashi1006:好长... 05/17 22:07
7F:→ rainforss:这算旧文章了,只是刚好整理cowboy bebop资料挖到的 05/17 22:58