作者Jerry (中肛丁)
看板MakiHorikita
标题[新闻] 过酷な运命に向き合う、家族の爱と信頼─
时间Wed Oct 8 23:02:56 2014
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/project/cafe/20141006-OYT8T50281.html
过酷な运命に向き合う、家族の爱と信頼──役所広司さん、堀北真希さん
2014年10月07日
第146回直木赏を受赏した、ベストセラー时代小説『蜩ノ记(ひぐらしのき)』(
叶室麟)が映画化されました。巨匠・黒泽明监督の“爱(まな)弟子”と呼ばれる小泉尧
史监督が、作品中で描かれる「师弟関系」に自身の思いを重ねて撮ったという话题作で
す。切腹という运命と向き合い崇高に生きる戸田秋谷(しゅうこく)役の役所広司さん、
秋谷を支える凛(りん)とした娘・薫を演じた女优・堀北真希さんに撮影秘话や作品への
思いを、小町さんが闻きました。
妻の手に触れる──何だかいいですよね
出演の依頼があったときのお気持ちを教えてください。
A 「やっと来たか!」ですね。小泉监督の映画に参加したくて、声がかかるのをずっ
と待っていたんです。今回、小泉监督が原作の「蜩ノ记」を映画化したいと思い、その
とき、ぼくが主人公の秋谷の年齢に达していた。もう少し若くても、もっと年をとって
いても、この作品と巡り合えなかった。これは、縁に结ばれていたんだと思っています
。
Q 小泉监督の映画は准备に长い时间をかけると伺いました。事前に小笠原流を习った
り、习字の稽古をしたりしたそうですが、役所さんが秋谷を演じるためにとくに力を入
れて准备したことはなんですか?
A 台本を読み込むことですね。秋谷を知ることが大切だからです。秋谷がどんな人物
で何をしてきたか、たとえセリフになくても知っていれば、どんなシーンでも演じられ
るし、説得力もある。小笠原流の稽古をしても、短期间で习得できるわけないんです。
でも稽古を通じて、こういう食事をしてきた人だとか、こういうたたずまいの人だと、
知ることができます。
Q 戸田秋谷は、役所さんから见てどんな人物ですか?
A 本当に立派な人ですよね。でも、それだけじゃない。藩主の侧室だった松吟尼とい
う女性に対する思いというのが、とても人间的でいいんです。松吟尼の存在がなかった
ら、ただ清廉洁白な男ですが、彼女との関わりがあるから深みが生まれる。
Q 原作でも映画でも秋谷の心の底は语られませんでした。秋谷の松吟尼への思いは“
爱”だったのでしょうか?
A 何らかの気持ちはあったと思います。妻の织江を大切にしていますが、松吟尼には
また违う感情がある。彼の人生の中で“ひっかかっている”存在なんでしょう。ふつう
の男だったら、「いやあ、あの晩は何にもなかったんだよ」って妻に言い訳しますよ。
秋谷はいっさい何も语らない。でも、妻は100%信じている。秋谷は不义なんてする
人じゃない。夫のことがよくわかっているんです。
Q 妻の手をそっと握るシーンを见て、夫妇の绊に胸が热くなりました。夫妇爱もこの
映画のテーマの一つだったと思いますが、このシーンを演じられて、改めて夫妇につい
て思うことはありましたか?
A この映画で秋谷が向かっていくところは、突き诘めればこのシーンに集约されてい
ると思います。荒れてざらついた妻の手に触れる──何だかいいですよね。结局、夫妇
は人间として信頼し合えるかどうかなんでしょうね。
Q 秋谷と织江の夫妇はお互いを信頼して、言叶に出さなくても心が通じ合っているよ
うに思えました。现代の妻の不満の多くは「夫のことがわからない」「ちゃんと言叶に
してくれない」というものですが、役所さんは奥様に言叶にして気持ちを伝えています
か?
A ええ!? いやっ、それはどうでしょう(笑)。まあ、よく二人でしゃべりますか
らね。ケンカもします。それも夫妇のコミュニケーションですよね。夫妇だから「何も
言わなくてもわかるだろう」というのは、本音を言うと难しい。ぶつかってもいいから
、话すことじゃないですか。言叶を交わすのがいちばん分かり合える。
师と呼べる人に出会って人生が変わりました
秋谷の娘・薫を演じた堀北真希さんの印象を教えていただけますか?
A 堀北さん、よかったですよね。この物语は200年前の话です。堀北さんの演じる
薫は、200年前にこんな娘がいたかもしれないと思わせる。现代の女性ですが、それ
が表に出てこない。耻じらいというかたたずまいというか、実に自然に武家の娘になっ
ていました。
Q 秋谷の监视役である庄三郎は、秋谷との出会いによって多くを学び、人生が変わっ
ていきます。役所さんにも人生が変わるような出会いがありましたか?
A 俳优の仲代达矢さんと出会ったことです。仲代さんの主宰する「无名塾」に拾われ
なかったら、ぼくは役者はやってなかったですね。仲代さんはぼくにとって师とも呼べ
る大切な存在です。
Q まさに、秋谷と庄三郎の师弟関系のようですね。完成した映画をご覧になっていか
がでしたか?
A この作品に参加できてよかったと思いました。ぼくは普段、観客として见ることが
できないんですけど、今回はすんなり作品の世界に入れましたね。泣けるでしょう?
この映画は。
はい。号泣しました。とくにラストシーンの秋谷の後ろ姿に泣けました。“死”に向か
っているのに、振り返った顔には清々(すがすが)しい表情があった。このときの秋谷の
心情はどのようなものだったのでしょう?
A すべてを吹っ切って、思い残すことはない。そういう気持ちだと思います。最後に
秋谷は振り返りますが、台本には书かれてなかったんです。ぼくも振り返るつもりはな
かった。监督が本番间际に振り返るかどうか、ずっと悩んでいらした。それで、さあ本
番というときに「振り返る」ことにしたんです。映画にはありませんが、撮影では子ど
もたちが秋谷を见送っているんです。この10年、十分に子どもたちと过ごして、家族
を托せる庄三郎もいる。子どもたちの顔を见て、秋谷は満足して最後の务めに出かけま
す。この映画の魅力は、家族の爱、师弟の爱、夫妇の爱、さまざまな爱が描かれている
ところです。200年前は携帯电话もテレビも便利なものは何もなかった。でも、夫妇
や家族や友人の爱や绊に结ばれていた。いまの若い人たちに、この顷の日本人が何を考
え、どう生きてきたか、それを知ってもらいたいですね。
「撮影に入るまでの时间も浓かったです」──堀北真希さん
出演が决まったとき、どんなお気持ちでしたか?
A(堀北真希さん) 小泉尧史监督やスタッフ、共演した皆さんも含め、ベテランの方
々とお仕事をすることにすごく魅力を感じて、とにかく「がんばろう!」と思いました
。
Q 10年後の切腹を命じられた父を见守る娘という难しい役ですが、薫を演じるため
に、どのようにアプローチしたのですか?
A 脚本を読んで、薫のイメージは何となくつかめたんですけど、武士の娘としての礼
仪作法や立ち居振る舞いなど、基本的なことが分かっていなくて。そのまま演じたら、
たぶん现代风な娘になってしまう……。监督からは、现代と比べると女性が自分の意见
を言いにくい时代だったと教えていただきました。それで、武士の娘を理解するところ
から始めました。监督に渡された武士の生活や武士の娘の一生を描いた本を読んだり、
小笠原流の礼法を习いに行ったりしました。
Q 武家の娘としての所作はとても自然でした。撮影中にとくに苦労されたシーンは?
A 食事のシーンでしょうか。一汁三菜をお膳でいただくのですが、食べる顺番も决ま
っているんです。何か作业をしながらセリフを言うときに、所作や作法をきちんとする
のは大変でした。それから、村祭りで舞を披露するシーンがあって、撮影に入る数か月
前から稽古に通ったんですが、振りがなかなか覚えられなくて。4人で踊るのですが、
ほかの方は舞踊家なので、动きがぴったり合っていて、私が合わないと目立ってしまう
。曲のこのあたりで、こう动く……というタイミングをつかむのが大変でした。
Q お话を闻いていて、撮影前から时间をかけて作品を作り上げていくイメージを受け
ました。
A 小泉监督は撮影に入る前に丁宁に准备をする方で、例えば、本番と同じように衣装
やカツラを着け、きちんとメイクして、写真を撮ります。扮装(ふんそう)をチェック
して、何度も検讨するんです。监督と话し合いもたくさんしましたし、撮影に入るまで
の时间も浓かったです。
Q 撮影が始まってからはいかがでしたか?
A これだけこだわって准备するのだから、撮影も时间がかかるのかな……と思ってい
ました。でも、始まったら意外にさらっとしていたんです。准备して积み上げてきたも
のをカメラの前で表现していく感じで、本番はほとんど1回でOK。何台ものカメラで
一気に撮っていくので、何度も同じお芝居を缲り返す必要がないんです。気持ちが途切
れずに演じられて、やりやすかったです。でも、间违えたら最初から撮り直しなので、
紧张もしました。
武家娘は奥ゆかしくて耻ずかしがり屋
Q 撮影中、监督に何か特别なアドバイスを受けましたか?
A 撮影前の话し合いのときから、现代の女性とは违うから、奥ゆかしく、おしとやか
に気耻ずかしさを意识して演じてほしいと言われていました。自分では十分に演じてい
るつもりなんですが、监督に「もっと気耻ずかしそうに!もっと!もっと!」って言わ
れて(笑)。
Q 庄三郎に恋心を抱いて、薫の「耻ずかしい」気持ちもエスカレートしていったので
しょうか?
A いえ、恋心とかなくても、すっごく耻ずかしがるんですよ(笑)。男性と接する机
会がないから、庄三郎と初めて会ったときから、すでに耻ずかしいんです。薫が特别に
「耻ずかしがり」じゃなくて、当时の女性はみんなそうだと教えていただきました。自
分の意见を言ったり主张したりしない。心の内を明かしたりしないので、恋するプロセ
スも今とぜんぜん违うと思います。
Q 普段は控えめな薫が、父の不义密通の相手とされている松吟尼に自ら望んで会いに
行くシーンが印象的でした。松吟尼に対峙(たいじ)する薫の凛とした强さを感じました
。
A 薫は父を信じていましたが、松吟尼に会うことで纳得したかったんだと思います。
自分の思いを伝え、松吟尼の気持ちを直接闻いておきたい。口を出すべきではないとわ
かっていても、纳得いかないところはきちんとしたいという薫の心情は共感できました
。私にとっても大切なシーンでした。
Q 役所広司さん、原田美枝子さん、寺岛しのぶさんなどベテラン俳优と共演されて、
吸収されたことはありますか?
A やはり、时代剧は立ち居振る舞い一つにしても基础ができてないとダメなんだなと
思いました。歩いたり、立ったり、座ったりという日常的な动作にしても、やろうとす
るとうまくいかない。たたずまいというか、何かが违うんです。役所さんも原田さんも
、そういったものが身についていて、自然体で演じていらっしゃる。撮影中の役所さん
は、そこにいるだけで“厳格なお父さん”という感じでした。
Q デビューして12年、堀北さんにとって演じることの魅力とは何ですか?
A 今回のように武家の娘を演じれば、现代とまったく违う时代を体験できることでし
ょうか。演じるというのは、その时代やその人の生き方を体験しているようなものです
。いろんな人になって、いろんな时代を生きることができる。そこが魅力だと思います
。
◇◇◇
「蜩ノ记(ひぐらしのき)」
ある事件の罪で10年後の切腹と家谱の编さんを命じられた戸田秋谷。その监视役で派
遣された藩士・檀野庄三郎は、秋谷の清廉な人柄に感铭を受け、师弟関系を结ぶ。切腹
の日まで、あと3年。秋谷の无実を信じ、彼を救うために真相を探り始める。やがて、
秋谷の娘・薫に淡い恋心を抱くようになる……。
监督:小泉尧史
原作:叶室麟
キャスト:役所広司、冈田准一、堀北真希、原田美枝子、青木崇高/ほか
配给:东宝
(c)2014「蜩ノ记」制作委员会
公开:2014年10月4日
2014年10月07日 Copyright c The Yomiuri Shimbun
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