作者ericisme (Eric)
看板MISIA
标题[情报] MISIAの森-Forest Covers- 全曲解说
时间Sat Nov 19 15:58:54 2011
■MISIA本人曲解説
1. Smile by Nat King Cole
子供の顷から、チャーリー・チャップリンの映画が大好きでした。『Smile』は映画
『Modern Times』の中に流れるインストゥメンタルで、チャップリンご自身が作曲した
楽曲です。その後、そのメロディーに歌词が付き、ナット・キング・コールが歌い世界
的なヒットとなりました。
今回、カヴァーするきっかけになったのは、映画『Friends もののけ岛のナキ』の主
题歌として『Smile』を歌って欲しいというお话があったからです。そのお话をいただ
いたのは、去年の冬になりますが、縁というか、“出会えた”という不思议なものを强
く感じました。
オーケストラのレコーディングは、3月の震灾直後、ロンドンで行いました。「今こ
ういう时こそ、この名曲“Smile”を、日本の皆さんのために」とエンジニアやストリ
ングスの皆さんが心を込めて音を作り上げてくれました。私自身、この时期に“Smile
”と歌うのはどうなんだろう…と考えてしまった时もあったんです。けれど、この言叶
に励まされ、“そうだな”と改めて思うようになりました。想いを込めて、歌いました
。
曲を作り上げる过程で、子供たちの歌声を入れてみたらどうだろうかというアイデア
をいただき、“だったら、是非、东北の子供たちに歌ってもらいたい”と思いました。
歌うことで元気になってくれたらって。そして、子ども达は紧张しながらも、一生悬命
に歌ってくれました。歌うことで元気になって欲しいと思っていましたが、私の方が力
をもらいました。きっと、この『Smile』を聴いてくださった方も、私と同じように勇
気や力を受け取るのではないかと思います。
2. Heal The World by Michael Jackson
このアルバムの中で、一番最初に决まった曲がこの曲でした。この曲は震灾後にラジ
オで最も多くリクエストされた曲の1つだと闻きましたが、たくさんの方々がこの曲を
リクエストして一人でも多くの人に届けたいという想いにとても共感しました。私も同
じ想いを抱え歌いました。もちろん、伤ついた场所や人を癒そうというメッセージ…环
境问题や世界の抱える问题に感心のある人にしか书けないものであろう言叶に深く共鸣
したので、歌いたいと思ったんです。
マイケル・ジャクソンはさらりと歌っているように聴こえますが、なかなか难しい歌で
す(笑)。とてもゆったりしたリズムの曲ですが…优雅に泳ぐ水鸟の脚のようにとても
忙しい部分があるんですね。缲り返し聴くと、この楽曲は歌词を中心に歌われているん
じゃないかと思いました。言叶を柔らかく、とても大切に歌っているんですが、メロデ
ィーに素直に乗って歌うと、その肝心な言叶がぷつっと途切れてしまうんです。私自身
も歌词ありきで、そこにメロディーを合わせて楽曲を作ることがありますが、言叶とメ
ロディーをしっかりと融合させるためには、気付かれないような细かな部分でリズムを
少しずつ调整しながら歌う必要があります。『Heal The World』もそういうタイプの楽
曲だな、と。その细かさに、改めてとても繊细で美しい音楽を创る人なんだなと感じま
した。こんなにも优しく柔らかな歌なのに、“ただ生きるのではなく、意识を持って生
きることを始めよう”とった、强い言叶やシリアスな言叶がズバッと切り込んできりも
するので、その歌い方の加减をどうすればいいかはかなり试行错误しました。
そんな大きくて深いメッセージを最大限に伝えるためにも、アレンジはごくシンプルに
、というのが最初のイメージでした。ただ、レコーディングスタジオで実际にドラムを
叩いてもらったとき、“もっと大きくて柔らかな世界でもいいんじゃないかな”って。
そこからオルガンやパーカッション、アコースティックギターなどが入り、JPにコーラ
スをお愿いしたりしました。だって、『Heal The World』って、1人よりもみんなで“
Healしよう”って歌う方がより良いメッセージになるだろうなって思ったんです。だか
らこそ、マイケル・ジャクソンはあんなにたくさんの子供たちのコーラスが必要だった
んだろうなって思ったり。作っていくうちに、楽曲が持つメッセージに吸い寄せられる
ようにアレンジしていった感じがありました。
3. The Rose by Bette Midler
この曲も最初から歌いたいと思っていました。ベット・ミドラーが主演する映画『
The Rose』の歌ですが、歌词が素晴らしいのです。
この歌は、爱をいろんなものに例えて歌っています。そして、つらいことがあっても、
なくなってしまったと思ったとしても、爱は花のようにみんなの心の中にあって、あな
たがきっかけさえあげれば咲くんだよって歌っています。どんなに深く积もった雪でも
、春になると地中の种は暖かな阳射しを浴びて芽を出す。今、あなたがひどい吹雪のよ
うなつらい时期に直面していたとしても、必ず(新しい一歩への)种はあるから…と。
震灾後、情けない话しですが、恐さや不安から音楽なしでは生活できなくなっていて
…。无音でいると、自分の头の中の考えに饮み込まれそうになるので、ずっと音楽を流
し続けていたんですね。この曲もいつも流れていたものの1つでした。
また、 “バラ”と闻くと多くの人は西洋的なものをイメージすると思うのですが、バ
ラ科という大きなくくりで见ると日本に根ざした“バラ”もたくさんあるんです。たと
えば、日本を代表する桜、桃の花、もちろん日本古来の野バラなどもあります。爱の象
徴でもある“Rose”。つまり自分の中の爱や、もともと日本にある“Rose”を见つめる
ことで、生物多様性のメッセージに繋がって欲しくてこの曲を选びました。あるべき姿
を见失わないこと。生物多様性を守って行く为にもこのことはとても大切なことです。
4. What A Wonderful World by Louis Armstrong
温かで平和なメッセージを持つこの楽曲。ただ、一见、とても柔らかな楽曲なのに、
歌うときに涙がこぼれそうになる…。その根底にあるものは何なのかなってずっと思っ
ていました。
この歌が世に発表されたのは、ベトナム戦争が激化していた时代。决して“WHAT A
WONDERFUL WORLD”と言えないときに、あえて“WHAT A WONDERFUL WORLD”と歌ってい
たんですね。きっと、心から“WHAT A WONDERFUL WORLD”と言える世界を梦见て、强く
愿いながら歌ったんだろうなと思うと、この优しい曲を歌うとき、泣きたくなるの理由
が分かるような気がしました。
体温とハートビートを感じる音にしたくて、トラックはシンプルにピアノ中心でフリ
ーテンポで歌いました。今回、改めて歌って感じたことですが、“すばらしい世界”は
、素晴らしい世界を目指そうという想いがなければ実现出来ないことだと思います。被
灾地ではあれほどの打撃を受けながらも草木が芽吹いたり、人々は自然とともにまた新
たな一歩を踏み出しているという话を闻くと、“再生する力”、手を取り合い、そして
何度も立ち上がろうとする力は、何て尊く、强く、素晴らしいのだろうと感じました。
私たちが『What AWonderful World』と感じる世界を作っていきたいし、繋げていきた
い。そんな想いで、この曲を歌いました。
5. Ribbon In The Sky by Stevie Wonder
歌う曲が、マイケル・ジャクソン、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ…と决ま
っていく中で、やはりソウルミュージックを爱する1人としてスティーヴィー・ワンダ
ーの楽曲は外せないなと思いました。ただ、星の数ほどある名曲から、アルバムにどの
曲を选ぶべきか…それを决めるのは简単ではなくて。そんなとき、ツアーのバンマスで
アレンジャーの重実彻さんが提案してくれたのが、 『Ribbon In The Sky 』でした。
改めて歌词を読むと、同じ空の下で私たちを繋ぐもの=リボンにたとえていたんです
ね。日本では、そういったものを“ご縁”と言ったりもしますが、远い空の下であって
もいつも繋がっているというメッセージになるし、どこか远くにいる谁かと繋がりたい
という意味にもなるかなと思いました。また、人によってはそのリボンを“赤い糸”の
ような、ロマンティックなものに感じる人もいるでしょうね。実际に、スティーヴィー
・ワンダーのミュージックビデオでは、ピンクのリボンが远くはなれる2人の男女をロ
マンティックに结びつけているような感じでしたから。
そしてレコーディングする段になり、今度はプロデューサーから意外な提案があった
んです。「よりメッセージを伝えるために、日本语で歌ってみたらどうだろう」と。惊
きましたが、その场で简単に日本语に訳して歌ってみると、すごくフィットして自然だ
ったんです。実际にこれを聴いた人からは、“すごく新鲜で、しかもよりメッセージが
入ってくるね”と言ってもらうことがとても多いですね。
日本语の歌词は、私が书かせていただきました。英语に比べ日本语訳にするとどうし
ても言叶数が多くなってしまいますが、スティーヴィー・ワンダーが伝えたかったこと
を全部盛り込めるように、决して意訳はしないように心がけました。メロディーにマッ
チするよう、言叶を最小限にとどめる和訳は难しかったですが、メッセージがと届くと
嬉しいです。
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